「EDになった人がなおったきっかけにはどんなものがあるのだろう」
EDの症状に悩んでいる方は、この先の不安からEDが治ったきっかけを知りたい方もおられるはずです。
もしくは、パートナーがEDになり、少しでもサポートできることを見つけたい、という方もおられるでしょう。
診療現場でも『薬が効かない』『誰にも相談できなかった』と悩んで来院される方が多くいます。
EDになった原因を知ることで、適切な対処法がわかるかもしれません。
そこで本記事では、そんな方の一助になればと思い、EDの主な原因やEDが治るきっかけ、対処法を紹介します。
パートナーの役割についても解説しますので、EDで悩んでいる方は本記事をご一読ください。
EDの主な原因と分類
ED(勃起不全)の原因はストレスや不安、過去のトラウマからなるケースや、血管障害や神経障害といった身体的な問題からなるケースなど様々です。
EDは多くの男性が抱える悩みですが、適切な理解と対処によって改善が期待できます。
EDの主な原因と分類は以下の通りです。
- ストレスや過去のトラウマが原因の心因性ED
- 血管障害や神経障害などの身体的な問題が原因の器質性ED
- 複数の原因が重なる混合性ED
- 薬の副作用が原因の薬剤性ED
心因性ED(ストレスや過去のトラウマが原因)
心因性EDは、精神的な要因によって引き起こされるタイプです。
日常生活での過剰なストレスや不安、仕事や人間関係のプレッシャー、過去の性的なトラウマが主な原因となります。
性的刺激が脳から陰茎にうまく伝わらず、勃起が困難になることが特徴です。
心因性EDは特に、30〜40代に多く見られます。
器質性ED(血管障害や神経障害などの身体的な問題が原因)
器質性EDは、身体的な要因によって起こるタイプです。
血流や神経伝達の障害により、勃起機能が低下します。
一般的には、加齢による動脈硬化や糖尿病、高血圧や神経障害に加え、ホルモン異常などが原因となります。
器質性EDは特に、50〜60代に多く見られます。
混合性ED(複数の原因が重なるケース)
混合性EDは、心因性ED、器質性ED、薬剤性EDなど複数の要因が組み合わさって発生するタイプです。
身体的な問題に加えて、精神的なストレスや薬の副作用が重なるのが原因です。
ただし、原因が複雑で、治療に時間がかかる場合があります。
混合性EDは、特に50〜60代に多く見られます。
薬剤性ED(薬の副作用が原因)
薬剤性EDは、特定の薬の副作用として現れるタイプです。
特定の薬とは、抗うつ薬や降圧薬、利尿薬や向精神薬などが当てはまります。
薬の服用を中止または変更することで改善することがありますが、自己判断での中止は危険です。
【原因別】EDが治るきっかけ・対処法
薬剤性EDの場合は、薬の服用を中止、もしくは変更することで対処できるものの、それ以外の原因については根本的な解決が必要になります。
ここからは、心因性EDと器質性EDが治るきっかけや対処法について解説していきます。
心因性EDの場合
心因性EDの改善には、パートナーとの関係改善やコミュニケーションの向上が重要です。
信頼関係を築くことで、精神的なプレッシャーを軽減します。
また、ストレスの軽減やリラクゼーションの実施も効果的です。
適度な運動や趣味の時間を持つことで、心身のリラックスを図ります。
心因性は精神的な問題がEDにつながっていることが多いため、カウンセリングや心理療法の活用も有効的です。
器質性EDの場合
器質性EDの改善には、生活習慣の見直しが不可欠です。
例えば、禁煙や適度な運動、バランスの取れた食事を心がけ、血流やホルモンバランスを改善していくことがED改善につながります。
器質性EDの改善には、基礎疾患の管理も重要です。糖尿病や高血圧などの持病がある場合は、適切な治療と管理が必要になります。
また、医師による適切な治療や薬物療法も検討しましょう。ED治療薬の使用や、必要に応じてホルモン療法を行うことで、症状の改善が期待できます。
【年代別】EDが治るきっかけ・対処法
ここからは年代別のEDを改善する対処法について解説していきます。
20代・30代の場合
20代・30代の男性では、心理的なストレスや生活習慣の乱れが原因でEDになることが多いです。
例えば、パートナーと別れたショックで、心理的に大きなストレスがかかり、一時的にEDになる場合もあります。
そのため、ストレス管理やパートナーとの関係改善が効果的です。
また、ED治療薬の服用も効果的であり、性行為に対する自信を取り戻すきっかけとなります。
40代・50代・60代の場合
40代以降の男性では、加齢に伴う身体的な変化や持病の影響が大きくなるため、生活習慣病の管理や身体的な健康状態の改善が重要です。
規則正しい生活リズムと適度な運動を心がけ、必要に応じてED治療薬の使用も検討されます。
EDが治るまでの期間と確率
EDが治るまでの期間やその確率について解説していきます。
治療期間の目安
EDの治療期間は個人差がありますが、数週間から数ヶ月で改善するケースもあります。
早期に適切な治療を開始することで、改善までの期間を短縮することが可能です。
治る確率
EDの改善確率は原因や治療方法によって異なりますが、多くのケースで改善が見込まれます。
薬剤を投与すれば70〜80%の改善が見込まれるとされています。
しかしながら、完全に治すためには、EDの原因を見つけ出し、根本的な治療を行うことが大切です。
ED改善におけるパートナー(彼女・彼氏)の役割
EDは、男性にとって非常にデリケートな問題であり、自尊心や自己評価に深刻な影響を及ぼすことがあります。
このような状況下では、パートナーの理解とサポートが特に重要です。
パートナーの男性が安心して問題に向き合い、改善に取り組むために支えてあげる必要があります。
理解とサポートを徹底する
EDの原因が心理的なものである場合、パートナーからの無意識なプレッシャーが症状を悪化させることがあります。
そのため、パートナーは批判するのを避け、安心感を与えることが重要です。
例えば、性的な行為に焦点を当てず、スキンシップや感情的なつながりを大切にすることで、男性はリラックスしやすくなります。
コミュニケーションの強化
ED(勃起不全)の改善において、パートナーとのコミュニケーションは極めて重要な役割を果たします。
特に心因性EDの場合、心理的な要因が大きく関与しており、パートナーの理解と支援が症状の改善に直結することが多いです。
EDは多くの男性にとってデリケートな問題であり、羞恥心や自尊心の低下からパートナーに打ち明けることをためらう傾向があります。
しかし、パートナーとのオープンな対話は、問題の共有と理解を深める第一歩となります。リラックスした雰囲気の中で、非難をすることなく話を聞いてあげる姿勢が大切です。
また、EDに関する正しい知識を共有し、共に解決策を模索することで、二人の絆が深まり、症状の改善にもつながります。
まとめ
EDは多くのケースで改善が可能であり、原因に応じた対策を講じることが大切です。
生活習慣の見直しやパートナーとの協力、専門家への相談を通じて、前向きに取り組むことが改善への近道となります。
ただ、生活改善はもちろんですが、私たちは“相談できる場所を持つこと”自体が改善への第一歩だと考えています。
西南泌尿器科クリニックでは恥ずかしさを乗り越えた瞬間から、前向きな変化が始まるケースを多く見てきました。
当院ではご予約いただければ、受付で詳細を話す必要はありません。
まずは一人で悩まず、適切なサポートを受けながら、健康的な性生活を取り戻しましょう。

【監修者】西南泌尿器科クリニック院長 持田 蔵
福岡県立筑紫丘高校卒、大分大学医学部卒。
昭和63年 九州大学泌尿器科入局
国立福岡中央病院、九州中央病院、県立宮崎病院、原三信病院、国立九州医療センター、浜の町病院を経て、平成9年 九州大学泌尿器科 助手就任。その後、博愛会病院勤務後、平成18年 西南泌尿器科クリニックを開業。